旅先でかまれた!かゆい!だけで済まない危険な虫トコジラミ、別名:南京虫(ナンキンムシ)。実はここ十年で日本の宿泊施設での発見例がめっちゃ増えています。
最悪の場合、家財全部強制断捨離に追い込まれる可能性がありますのでよかったら旅行出発前に読んでみてくださいね。
ダニじゃなくてシラミ?
そう。日本では50年くらい前にほぼ完全に駆除されていたんだけど、最近のインバウンドで外国人観光客が増えて、その置き土産ってわけ。
トコジラミとは?
・体長4~7㎜くらいの褐色の昆虫。
・暗くて狭いところが好き。明るいところは嫌い。
・翅はないので飛べない。
・メスは1日5、6個、生涯で500~600個の卵を産む。
・近親交配でもリスクがない。
つまり1匹メスがいたらあとは鼠算(シラミ算?)式に増える。
・昆虫にしては長寿命。(2年近く生きた事例もある)
・エサは動物の血液。つまり噛んでくる。
・蚊と一緒で、血を吸うときに唾液を注入してくる。
・刺された当日よりも翌日のほうがかゆい。
・唾液にアレルギー反応が出るため、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目とかゆみがひどくなる。
・荷物や衣服にくっついて世界中どこにでも移動、出没する
1匹見たら、のゴキブリさんよりも怖いんです。
結構やばい虫なんだね
かまれたらどうなるの?
かゆくてかゆくて、眠れない状態になります。
そして、蚊と違ってかゆみが1週間以上続きます。
人によってはアレルギーによるショック状態や蕁麻疹が出てしまうこともあります。
ただ、初めて噛まれた時はそこまで痒みを感じないことも多く、そのせいで発見が遅れることも。2回目刺されたときにひどい目に合うという面ではハチと一緒ですね。
症状が引くまでひどい人だと数ヶ月かかることもあり、過去宿泊施設を相手取った裁判になった例もあります。
裁判とかマジか、、、
お坊さんが法事ができない事態に追い込まれたんだってさ。ちなみにお坊さんが勝訴してます。
なんで日本で増えてるの?
インバウンドの影響
中国やアジアの国だけじゃなくて、ヨーロッパでも絶賛大発生しているので、旅行客の荷物にくっついて海を越え、空を超えやってきてるみたいです。
ホテルに取ったら廃業危機レベルの死活問題なので情報が出てこないことも拍車をかけているのかも。
殺虫剤が効かない!?
※これはスーパーサイヤ人。
そんな厄介なら殺虫剤で退治すれば良いじゃん!汚物は消毒だー!!
それがね、今日本や世界で爆発的に増えてるトコジラミはスーパートコジラミ。殺虫剤が効かなくなってるんだって。
なっなんだってー!!!ΩΩΩ
( ^ω^)・・・(MMRとかまた懐かしいネタをぶっこんできたなぁ)
人や動物には毒性が低くてよく使われている殺虫剤(ピレスロイド系)が効きにくくなってるので駆除が簡単に出来ないので、宿泊施設も頭を抱えてるってのが実情のようです。
薬剤耐性をもっていない奴に比べて1000~10000倍の濃度じゃないと効かない。
まさに少年漫画も真っ青な強さインフレです。
いま日本で発見されているトコジラミの90%が耐性持ちという話もあり、ヤバイやつは昔餃子の混入して騒ぎがあった有機リン系にさえ耐性を持ちつつあるというから驚き。
処理費用が一室あたり数万円かかることもザラとか。
トコジラミ確認法は?
ホテルについたらいきなりベッドにドーン!
荷物を全部開けてベッドの上へ、、、
なんて事してませんか?
これ絶対ダメです。
トコジラミがいたらすぐ汚染されます。
トコジラミ被害を防ぐ入室法
①入ったらまず荷物を入り口、もしくは浴室に置く
※浴室が汚れてないことを確認してから。
②電気をつけてカーテンレールや家具と壁の隙間など狭い場所に黒いツブツブが落ちていないか確認する。可能であればベッドマットの下も見る。
③電気を消してシーツの下でうごめく影がないか確認する。
海外だと、ここまでの確認せずともぴょんこぴょんこ♪って跳ねていることがあります(かわいくない)
そこそこ大きい虫なのでダニとは違ってすぐに目視で見つけられるところはいいところですね。ベッドマットの下は結構ヤバイ事があるので虫耐性がない人は要注意かもしれません。
もうね、うん、トラウマ級。
私は仕事柄習慣で確認するのですが上海のホテルで数回見つけた事があります。
( ^ω^)・・・なかなか衝撃的な光景でした。
トコジラミを発見したら速やかにフロントへ連絡し、部屋を変えてもらいましょう。ほとんどの国内のホテルはすぐに対応してくれます。ただ、海外は、、、無理なこともあります。
被害を防ぐには?
荷物を広げない
面倒ですが、荷物を広げないのは重要です。
トコジラミはつるつるしたものは登れないので、キャリーバッグにしまっていれば中身が汚染されるのを予防できますし、それでも不安ならおおきなナイロン袋にキャリーバッグごと入れて置いておくことで予防できます。(私は中国出張時はこれで対応してました)
あとはトイレやバスルームに置く、というのも手ですね。
忌避剤・殺虫剤を使う
いない、と思っても見落としがあるかも、不安、なときは忌避剤や殺虫剤を使うという手もあります。ただ、スーパートコジラミの場合は気休めにしかならないかもしれませんが・・・
忌避剤
海外に行くときはスプレーは没収されてしまうのでシートタイプが便利ですが、有効成分を含んでいる量が少ないので短時間しか効果が持ちません・・・
ディートという成分で濃度に応じて効果時間が延長し、5%で1~2時間、30%で9時間しっかり忌避してくれます。
日本では高濃度の製品は認められていませんでしたが、記憶に新しいデング熱ショックのおかげ(?)で30%品がようやく認められるようになり、今は各メーカーから販売されています。
またトコジラミだけでなく、アジアなどではダニや蚊にも気を付けないといけないので、持っていっておいて損はないと思います。ただしこちらはディートを含んでいるので12歳未満の子供に使えないことが弱点ですね。 子どもも安心イカリジンはトコジラミに効果がないので、もっと低濃度のディート製品を使うしかない・・・のか・・・(調べたけど見当たらなかった)
ちなみにマダニや蚊よけだけなら子供さんにも安心のイカリジンの忌避剤がオススメ。ジェルで塗りやすい。でもトコジラミには効かない。
殺虫剤
スーパーなトコジラミにも効果がある強力なピレスロイド(人には安全)系殺虫剤。でも多分低濃度だと効果が出にくいので結局近距離噴射が必要なような気がするし、海外旅行には持っていけないところがネック。
めんどくさい、、、
いやいや、家に連れて帰ったらもっと面倒臭いことになるからね!
え?どうなるの?
持ち帰るとどうなる?
トコジラミを家へうっかり持ち帰ってしまうと、、、家の中で爆発的に増えます。
もうこうなると、布団だけでなくて家の中の潜んでいる可能性のある家具や建具、畳など全部対処しなくてはいけません。
場合によっては家具を全て捨てて、引っ越した方が早いことも多いです。
とはいえ、血液がなければ死ぬので寿命を考えれば完全に2年強封印すれば、また住めるようになるとは思います、、、
持ち帰ってしまったときの対処法は?
怪しいホテルに泊まってしまった時は、荷物をそのまま家には持ち込まないようにして、服は熱湯消毒するか、その他の荷物と一緒にパラジクロロベンゼンとかのピレスロイド系以外の防虫剤を放り込んで密閉してしばらく放置などの処置が必要です。
家で繁殖が確認された場合は専用の殺虫剤も売っていますが、駆除専門業者を読んだ方がいいと思います。
一匹のメスが1日に5匹産みますから、数日対処が遅れるだけで絶望的な状態になります。畳がある部屋だと畳に住み着いてしまいます。
(しかも卵は薬剤がききにくいというおまけつき・・・)
もう、これ無理ゲーじゃない?
うん。だから なにより 持ち帰らない、持ち込まない事が大事。持ち込んだ時点で終了に近いの。
ホテルの選び方は?
高いホテルだから出ないかというと、そういうわけではなくて誰が宿泊したかに依存するから何とも言えないんだよね
まじかよ
国内でも有名ホテルで見つかった例もあり・・・持ち込まれたらどうしようもないっていうのが実情みたい。ただし、安宿よりは当然高級ホテルのほうが確率は低くなるよ。
特に海外では安宿はかなりの確率でいるので、子連れの場合で予防策が取れない場合は、ある程度のグレードに宿泊することをお勧めします。海外だと宿ではなくて、タクシーとかにもいたりするので油断も隙もあったもんじゃないんですけどね。
まとめ
昔は海外旅行に行くときだけ注意すればよかったトコジラミも、他人事ではなくなってしまいました。
旅行先で刺されただけでも旅が台無しになってしまいますし、持ち帰ってしまえば日常生活さえも破綻してしまう恐れがあります。
せっかくの旅行ですから、厄介なお土産をもらって帰ってこないように気を付けて楽しんできてくださいね!