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ズボラ兼業主婦のラクしたいブログ。家事時短のための断捨離&整理整頓、子育て、アレルギーネタなど。

予約炊飯、何時間まで大丈夫?夏場の長時間予約はお米が腐るかも・・・

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こんにちは。理系かあさんです。

 

今回は予約炊飯について理系っぽい視点からまとめております。

大学では昆虫だけでなく微生物もいじっていたのでカビに対する熱(?)が少しこもってしまうかもしれませんがドン引きせずに読んでいただけますと幸いです。

平成最後の日に語る内容がカビ(と細菌)とか因縁めいたものを感じますぞ!

浸漬中にも米は腐敗する?!

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朝起きた時に炊き立てのご飯が食べたい!

仕事から帰ってきたらすぐにご飯を食べたい!

と予約機能を使って炊飯する人は多いのではないかと思います。

でも夏場など、部屋が高温になる時は長時間の予約炊飯は危ないのです・・・

倍数で増える菌の恐怖

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実際のところ、水温が18度を超える状態で6時間以上放置すると結構危険。

おにぎりを同じような条件で置いておいたら傷むのが想像できるかと思います。

お米も水も、完全滅菌されていませんし、そもそも空気中には目に見えないだけでたくさんカビや細菌が浮遊していますから炊飯器のふたを閉めていても必ずそこにいます(断言)。

そしてカビも細菌も一旦増殖に適した3条件がそろってしまうと倍々で増殖してしまうので注意が必要なんです。

①水分が十分あり(お米の状態では水分が少ないのでカビにくい)

②温度が高く(30~40℃が最適な菌が多い)、

③栄養がある

・・・と、どんどん増えます。

例えば黄色ブドウ球菌は27分で1回分裂します。

腸炎ビブリオなんかは8分で1回増えます。

1個が2個になるだけでしょ?大したことないじゃん、と思うかもしれませんが倍々なので・・・

 

10分に1回増殖すると・・・

1個→2個→4個→8個→16個→32個→64個(60分)

64個→128個→256個→512個→1024個→2048個→4096個(120分)

4096個→8192個→16384個!!(140分)

 

たった14回の分裂で、1万個を超えてっちゃうんです。

多くの病原菌が食中毒を起こす敷居は10万個ですが、ここから3回分裂すると10万個超えますし、初回混入した菌が1個とは当然限らないので恐ろしさがわかるかと思います。

黄色ブドウ球菌の場合は1個混入したら17回分裂すると食中毒を起こす個数まで増えます。

17×27=459分。7時間半。

2個混入していたら7時間。4個混入していたら6時間半と所要時間は短くなります。

 

ドラえもんのバイバインの話思い出しますね・・・

宇宙で増殖し続けるくり饅頭。恐怖。

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加熱しても大丈夫じゃありまセン

大丈夫!大丈夫!お米炊くときに高温になるから菌死滅するから大丈夫でしょ?

ダメ。絶対。大丈夫じゃないYO!!

過熱すれば確かにほとんどの菌は死滅しますが、増殖するときにすでに米を栄養にするために腐敗させてます。いたんだ米を炊いても傷んだご飯しかできません。

マジでいきなり腐ったご飯が錬成されます。

腐るまで行っていなくても、炊き立てなのにすでににおいがする、黄色っぽいなど、美味しくない状態になりやすいです・・・

高温でも死なない菌がいる!

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例えば一晩置いたカレーが原因で起こることが多いウェルシュ菌食中毒ですが、こいつらはある特定の状態になると加熱しても死にません。

なんなら100度で4時間加熱しても生きてます。

なぜかと言うと、頑丈な鎧を作ることができるからなんです。

鎧を作っている状態は芽胞といい、眠っているのと同じなので増えたりはできませんが、いわば種のようにじっと息を潜めて増殖の機会を伺っている姿です。

生き物が食べて腸管などに到達するとしめしめ、と活動を始めてどんどん増殖、腹痛などを引き起こすと言うわけですね。

ちなみに鎧を脱いで活動している状態であれば10分も加熱すれば殲滅出来ます。

実験室や血液製剤などではこういった菌を完全に殺すために、滅菌処理→常温放置→滅菌処理を繰り返したりしますが、途中に新たに菌が混入しないよう十分に注意しなければならず、家庭ではまず不可能です。

なので最初から「汚染を防ぐこと」「増やさないこと」が食中毒を防ぐ唯一の手立てとなります。

ウエルシュ菌は土についていることが多い菌なので、お米が汚染されることは稀ですが同様の性質を持つ菌は土壌中などにも普通にいますので注意に越したことはありません。(キッチンって根菜とか土つきのものもありますよね・・・)

菌が死んでも残るものがある!

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そして最も怖いのが菌が死んでもその代謝産物は残っちゃうってところ。

菌は生き物なので、増殖するときに代謝産物(わかりやすくいうと排泄物)をたくさん出しているんです。

発酵食品を見ても分かる通り、全てのカビが毒物を作っているわけではないですが、日本の環境にも命に関わる毒物を作り出すカビが普通にいることが分かっています。

 

菌自体は普通、加熱されると死滅しちゃうんですけど。

カビ毒は残っちゃうんですよね・・・

 

例えば、黄色ブドウ球菌が作るエンテロトキシン。

これはたんぱく質ですが熱にかなり強く、100度30分を耐えます。ヤバない?

炊飯の加熱時間は30分以下なので、黄色ブドウ球菌に汚染されたコメを炊いた場合、多分食中毒になるでしょう。

普通たんぱく質って過熱に弱いもんなんですけどね。怖すぎ。

 

そしてたんぱく質以外の毒は低分子の有機化合物が多いんですけど、これは100度程度の加熱では分解しません

有名なところだとカビ毒のアフラトキシンなどありますが、こいつらは本当にかなりヤバイ(語彙力!)。

日本では2011年にアフラトキシンが食用のコメから検出されたことがあり、大騒ぎになりました。(ちなみに2008年にはアフラトキシンで汚染されたお米を流通させていたっていう事案がありましたね。事故米ってやつです・・・)

※通常出荷される前であればアフラトキシンが検出されないかの検査が必ずあるので本来は安心ですが、保管に気を付けないと家庭でかびることもあるので要注意です。

 

アフラトキシンは・・・

割と発ガン性があります。

肝炎を起こしたりします。

大量に摂取すると死ぬこともあります。

 

食品添加物みたいに、何か悪い影響があるかも?ではありません。

アフラトキシン以外にもカビ毒には、はっきりと「発ガン性」や「毒性」があるとわかっているものが多数存在します。

お腹を壊すだけではすまないので、繰り返し摂取することは絶対に避けるべきです。

例えば食パンが一枚でもカビていたら、袋ごと捨てましょう。

目に見えないだけで同じ袋の中のパンはすでに危険なレベルで汚染されています。

浸漬は何時間までなら大丈夫?

実際のところ、出来るだけすぐ炊くのが一番安心。

ですがそうもいかないのであれば、前述した菌の増殖を考えれば18度以上での浸漬は2~6時間以下にとどめるのがいいです。

長時間浸漬するときは温度を下げる!

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そうはいっても長時間浸漬しないといけない、という場面はあると思います。

そういう場合は予約中も水温が10度以下になるようにすれば菌の増殖を防ぐことができます

方法は簡単で、お米を洗い、氷を入れてから水を既定の水位まで入れるだけ。

長時間置く場合は1合分の氷をあらかじめ作っておいて入れるという手もあります。

うちは最近仕事を始めたため、この方法にしてます。

ほかにもお酢を入れる、などの方法がありますが試したところやっぱり酢の味がしたので(多少ですが・・・)個人的には採用してません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

食中毒予防のためにも、長時間予約炊飯は夏場は避けたほうが無難です。

お米はお水につけたほうが確かに美味しく炊けますが、夏場は1時間で十分です。

浸漬時間はなるべく短時間に控え、安心でおいしくご飯を食べたいものですね。