こんにちは。理系かあさんです。
実は、先日下の子が鉄欠乏と診断されてしまいました。
後々考えてみれば確かに長子と比べて色白だったり、よく眠っていたりなどもっと早く気が付けたのでは?という点がありましたので乳児の鉄欠乏貧血についてまとめることにしました。
今のところ、下の子は成長が遅いということもなく(むしろ平均よりでかい)、ずっと鉄欠乏だった訳ではないようですが、ある意味ではそれが発見を遅くした要因の一つかもしれません。いろいろ個人的な反省点はあるのですが、知らなきゃできなかったな、気が付かなかったなということも多かったですので、この記事がだれかの参考になれば幸いです。
鉄欠乏が発覚するまで
先日、下の子が上の子から風邪をもらってしまい、鼻水が少しあるのと発熱37.7℃が2日続いているだけだったものの、いつもより顔色が悪かったため不安になり病院へ連れて行きました。
顔色が悪いけどいつもこう?
いえ、今回風邪をひいてからだと思うんですが、、、ただ色は生まれつき白いほうです
アッカンベーをして赤子の下まぶたの裏をチェックする先生。顔つきが険しくなったので、これは何かあるのかな?と不安になりました。
ちょっと気になるから、炎症反応調べるのと一緒に血液検査してもいいかな?
え?はい、お願いします
指に針を刺して少し血液を出すだけの簡易の血液検査を受けることになりました。その結果、ヘモグロビンが少なくなっている状態で、鉄欠乏であることがわかりました。すぐに詳細の血液検査を実施するための血液採取を受けました。
どんな検査をしたのか
肌の色の確認
青白いと鉄分欠乏の可能性が。うちの子はもともと色白だったのですが、病院にかかる数日前から日本人なのに白人のように白くなってきており、風邪は大したことないのになんでだろうと受診する一つのきっかけになりました。
お医者さんも鉄欠乏に気が付いたきっかけは顔色だとおっしゃってました。
アッカンベーをして、下まぶたの裏を確認する
白いと鉄欠乏。フェリチン(貯蔵鉄)が不足しているので医療機関にかかるべきです。血液検査前にチェックしていただきましたが、うちの子は白かったです、、、
血液検査
血中のヘモグロビンに関しては、少量の血液で当日検査ですぐわかりますが(医療機関によるかもしれません)、フェリチン(貯蔵鉄)に関しては少し時間がかかるようです。どちらも血液検査で判定できます。
家庭で判断できる?
先ほど紹介した検査法ですが、下まぶたの色を確認する方法は比較的簡単にできると思いますので定期的に見るのが良いかと思います。
これを知っていれば私も、もう少し早く気が付けたと思います、、、
その他にも
元気がない、すぐ泣いてしまう(刺激に敏感)、呼吸が早い、爪がスプーンのように反る、、、などの症状が出るようですが、これらの症状が出るのはかなり深刻な状態のようです。うちの子はやや傾眠傾向以外の症状はなく、それも多いときで昼寝が朝2時間、昼から2時間あるというだけで、起きている日は昼寝0でしたし、それこそ部屋中元気に高速ずりばいをしまくっているので判断できたか、と言われると正直できませんでした。
鉄欠乏を放置するとどうなるか
発達・発育に障害が出ます。血が足りない状態なので、体も十分に大きくなることができません。また、赤ちゃんの鉄欠乏は神経伝達物質の生成を阻害するため、脳の発達や機能に影響を及ぼし、3か月以上放置されると発達障害ような症状を起こす可能性が指摘されています。(主にADHD、探しましたがアスペルガーの報告例は今回は発見できていません)。
この場合は、早期に鉄分を補充することで改善されることが多いようです。
※ADHDの原因は現時点でははっきりとはわかっていませんが、鉄分不足が原因で起こっているとの報告もあるようです。多数の論文がヒットしますので興味がある方は調べてみてもよいかもしれません。
赤ちゃんの鉄欠乏・原因は?
鉄の貯蔵不足
通常赤ちゃんは妊娠中に母体から鉄分をもらい、体内に蓄積します。これは生後6か月くらいまでの分で、そのあたりから歯が生え始め、離乳食を始めることで欠乏を起こさないようになっています。
しかし母体からの鉄移行は妊娠中の最後の3か月に起こるため(参考文献2)この時期に問題が起こった場合、貯蔵鉄の不足が起こってしまい、結果鉄欠乏になることがあります。
①早く生まれてしまい、この時期が十分でなかった場合
②妊娠中の発育が不十分で、鉄の移行期が遅れた場合
③母親が鉄欠乏だった場合
ちなみに私は妊娠中の血液検査では貧血を指摘されたことは一度もありませんでした。ただ、予定日よりも10日前後早かったため、それが影響したのかもしれません。
鉄需要が多い
大きくなるためにはヘモグロビンをたくさん作り、体中に十分な酸素を運ぶ必要があります。その分、鉄をどんどん消費します。
生後6か月までは貯蔵鉄でどうにか対応できていても、離乳食が不十分であれば、貯蔵鉄を使い切ってしまいまい鉄分が不足します。うちの子は生まれた時は成長曲線のど真ん中くらいの体系だったのですが、生後1か月くらいから身長は成長曲線をずっとはみ出し、体重も中心よりやや多めを推移していたので消費が激しかったのかもしれません。
離乳食の進みが悪いため
母乳育児の場合で母親の鉄欠乏があった場合、貧血の起こりやすさも高くなります。また母乳の場合、離乳食の進みが遅くなる傾向があるようです。うちも母乳育児で離乳食は1日に2回与えていますが、朝はほとんど食べません。
母乳がダメ、というわけではなく母乳にはたくさんの栄養が含まれていて鉄分の配合量は少ないものの、通常の鉄分よりも吸収率はよいとされています(吸収率はミルクの5倍という話もあります。ミルクのほうが鉄分総量はたくさん含まれていますが)まぁ一長一短あるよ、ということでしょう。
鉄不足だけに注目すれば、沖縄県の調査によると9~10か月の乳児のうち、母乳栄養児は33%、混合栄養児は10%、人工栄養児は18%の貧血が見られたそうです。
生後6か月からは、それまでは0.5㎎/日でよかった鉄分摂取(母乳でも賄える量)が貯蔵鉄を使い切るため、一気に5㎎/日と増大します。離乳食が十分でないと取れない量なので、だんだんと鉄が不足していき生後9か月くらいで鉄欠乏性貧血を起こすことが多いです。
うちの子はこのパターンかと思いますが、もともとの鉄貯蔵量が少なかった可能性もあります。
対策は?
鉄分豊富な食材を離乳食に取り入れる
レバーや、赤身の魚、肉など、鉄分が多く含まれているものを離乳食に取り入れましょう。意外なところだと納豆も鉄分が多いです。ひきわりだとお湯で洗って与えやすいと思います。(すりつぶしても◎)ただし、レバーはビタミンAが多く含まれているので与えすぎもNGです。ビタミンAのとりすぎは命に関わるので、適量を必ず確認してください。
ビタミンCを一緒に取る
ビタミンCを鉄分と一緒に取ると、鉄の吸収が促進されますので、一緒に上げる野菜はビタミンCが豊富なものを選ぶとよいと思います。
鉄剤を処方してもらう
うちは食事の改善と同時に薬もいただいてます。離乳食の進み方によっては、早期に鉄剤を使って鉄不足を速やかに解決したほうが良いことも多いと思います。
シロップ状のものがあり、飲みやすいようでそんなに嫌がらずに飲んでくれています。
※ただし、鉄剤をとると便秘になりやすくなったり、便の色が黒っぽくなったりする場合がありますので、与えてみて便秘がひどそうな場合は医師に相談しましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
うちは現状鉄剤を与えながら離乳食を工夫して様子を見ています。正直、こうなる前に防げたのでは?という反省もあります。今回2人目、ということで1人目出産で私自身の貯蔵鉄がかなり減っていたのかもしれません。妊娠前~妊娠初期は葉酸・鉄サプリメントを飲んでいたのですが途中でやめてしまったことが悔やまれます。(2人目妊娠にもかかわらず、鉄分が妊娠後期に大量に必要な理由を正確には知りませんでした、、、)
次があるかはわかりませんが私自身も鉄サプリメントの摂取を始めました。母乳から、すこしでも子供に上げれるかもしれない、という気持ちもあります。
そういえば、実は産後鬱にも鉄不足が影響しているそうです。もっと周知してほしいなぁと思いました。
見逃しがちなミネラルだけど大切な鉄分。みなさんは取れてますか?
もし不安であれば鏡に向かってアッカンベーで大人も確認できますので確認してみてくださいね。
そういえば、昔日本では鉄不足が少なかったと思われる要因は魚食が多かったというのと、鉄瓶を使っていたから、という理由もあるみたいです。
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。
(参考文献)
1)最近の日本人人乳組成に関する全国調査(第一報)、伊戸田 正ら、日本小児栄養消化器病学会雑誌、5, 145-158, 1991